副業がバレるとどうなる?処分と対処法を解説
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副業が就業規則に違反していても、それだけで即解雇(懲戒解雇)は認められない。労働契約法第16条は、客観的に合理的な理由がなく社会通念上相当でない解雇を無効としている。実際の処分は口頭注意〜減給がほとんどだ。この記事では、バレた場合の会社側の対応パターンと、バレた後にやるべきことを整理する。
バレた場合の会社側の対応パターン
大半の会社では口頭注意か始末書で終わる。懲戒解雇に至るケースは、競業や機密漏洩など悪質な場合に限られる。そもそも副業がバレる原因を知りたい方は「副業がバレる3つの原因と確定申告での防ぎ方」(/column/fukugyou-bare-ru)を参照してほしい。
| 処分の種類 | 内容 | 発生頻度 |
|---|---|---|
| 口頭注意 | 上司から口頭で注意を受ける。記録に残らないことが多い | 最も多い |
| 始末書・顛末書 | 経緯を書面で提出。人事記録に残る場合がある | 多い |
| 減給 | 労働基準法第91条の範囲内で給与を減額。1回の減給は平均賃金の1日分の半額が上限 | やや少ない |
| 出勤停止 | 一定期間の出勤を禁止。その間は無給になる | 少ない |
| 降格 | 役職や等級を下げる処分。給与も下がる | 少ない |
| 懲戒解雇 | 即時解雇。退職金が不支給になることもある | 極めてまれ |
就業規則違反で懲戒解雇は認められるか
結論から言えば、副業をしたという事実だけで懲戒解雇が有効になることはほぼない。法的根拠を3つ押さえておこう。
労働契約法第16条(解雇権濫用法理)
労働契約法第16条は「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする」と定めている。副業をしただけでは「客観的に合理的な理由」とは認められにくい。
労働契約法第16条は労働者を保護する強行規定です。就業規則に「副業をした場合は懲戒解雇」と書かれていても、この条文に反する処分は無効になります。
厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」
厚生労働省は2018年にモデル就業規則を改定し、副業・兼業を原則容認とした。ガイドラインでは「労働者が労働時間以外の時間をどのように利用するかは、基本的には労働者の自由」と明記している。企業が副業を制限できるのは以下の4つの場合に限られる。
- 労務提供上の支障がある場合
- 業務上の秘密が漏洩する場合
- 競業により企業の利益を害する場合
- 企業の名誉・信用を損なう行為がある場合
裁判例:マンナ運輸事件ほか
マンナ運輸事件(京都地裁 平成24年7月13日判決)では、運送会社のドライバーが副業をしていたケースで、会社側の解雇が無効とされた。裁判所は「就業時間外の副業は労働者の自由であり、本業に具体的な支障がない限り懲戒事由にあたらない」と判断した。同様に、十和田運輸事件(東京地裁 平成13年6月5日判決)でも副業を理由とする解雇は無効とされている。
懲戒処分が重くなる3つのケース
副業自体は軽い処分で済むことが多いが、以下の3つに該当すると処分が重くなる。
- 同業他社での副業(競業)——本業と同じ業種・業態の会社で副業していた場合、競業避止義務違反として重い処分の対象になる。顧客情報やノウハウの流出リスクがあるため、懲戒解雇が有効とされた裁判例もある
- 業務時間中の副業——本業の勤務時間内に副業を行っていた場合、職務専念義務違反となる。副業そのものではなく「勤務時間中にサボっていた」ことが問題視される
- 機密情報の漏洩——本業で知り得た顧客情報・技術情報・営業秘密を副業で利用した場合、不正競争防止法違反にも問われる可能性がある。民事・刑事の両面でリスクが生じる
この3つに該当する場合は、懲戒解雇だけでなく損害賠償請求を受けるリスクもあります。副業の内容が本業と競合しないか、事前に確認してください。
バレた後にやるべき5つのこと
バレた後の初動で処分の重さが変わる。以下のチェックリストに沿って対応しよう。副業がバレる確率やタイミングについては「副業がバレる確率は?」(/column/fukugyou-bare-ru-kakuritsu)と「副業がバレるタイミングはいつ?」(/column/fukugyou-bare-ru-timing)で解説している。
- 就業規則を確認する——副業に関する規定(禁止・届出制・許可制)を正確に把握する
- 上司に誠実に事情を説明する——隠したり嘘をつくと処分が重くなる。本業に支障がなかったことを具体的に伝える
- 必要に応じて副業届を提出する——届出制の会社なら正式に届出を行う。許可制なら許可申請をする
- 副業の継続可否を確認する——会社が中止を命じた場合は従う。交渉の余地がある場合は条件を提示する
- 税金の申告状況を確認する——確定申告や住民税申告が適切に行われているか見直す。住民税を普通徴収に切り替える手続きは「副業の住民税を自分で払う方法」(/column/fukugyou-juminzei-futsuchousei)を参照
そもそもバレないための対策
最善の対処は「バレないようにする」ことだ。対策は大きく2つある。
1つ目は住民税を普通徴収にすること。確定申告で「自分で納付」を選べば、副業分の住民税が会社に通知されない。具体的な手続きは「副業の住民税を自分で払う方法」(/column/fukugyou-juminzei-futsuchousei)で解説している。
2つ目はSNS・口コミでの情報漏洩を防ぐこと。実名・顔出しを避け、同僚に副業の話をしないことが基本だ。副業がバレる原因と対策の全体像は「副業がバレる3つの原因と確定申告での防ぎ方」(/column/fukugyou-bare-ru)にまとめている。
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よくある質問
Q. 副業がバレたら即クビになりますか?
即解雇(懲戒解雇)になるケースは極めてまれです。労働契約法第16条により、客観的に合理的な理由がなく社会通念上相当でない解雇は無効とされています。多くの場合は口頭注意や始末書の提出で済みます。ただし、同業他社での副業や機密情報の漏洩があった場合は重い処分になる可能性があります。
Q. 就業規則に副業禁止と書いてあれば法的に有効ですか?
就業規則の副業禁止規定には一定の有効性がありますが、全面的な禁止は法的に認められにくい傾向です。厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」では、労働者が労働時間以外の時間をどのように利用するかは基本的に自由とされています。副業を制限できるのは、本業への支障・企業秘密の漏洩・競業避止・企業の信用毀損といった合理的な理由がある場合に限られます。
Q. 副業がバレた後、副業を続けることはできますか?
会社の対応次第です。就業規則に届出制の規定がある場合は、正式に届出をして許可を得れば継続できるケースがあります。全面禁止の場合でも、上司と誠実に話し合い、本業に支障がないことを示せば許容される場合もあります。ただし、会社が明確に中止を命じた場合は従うのが無難です。
Q. 公務員が副業をバレた場合はどうなりますか?
公務員は国家公務員法第103条・第104条、地方公務員法第38条により副業が原則禁止されています。民間企業と異なり法律上の制限であるため、発覚した場合は戒告・減給・停職・免職といった懲戒処分の対象になります。近年は一部の自治体で公益的活動に限り副業を許可する動きがありますが、無届けの副業は厳しく処分される傾向です。
Q. 副業がバレた際、会社に謝罪すべきですか?
はい、まずは誠実に謝罪することをおすすめします。就業規則に違反していた場合は、規則を守らなかったことについて率直に非を認めてください。その上で、本業に支障がなかったこと、今後の対応方針(届出・中止など)を明確に伝えると、処分が軽くなる傾向があります。