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副業の経費一覧|何がどこまで認められる?

副業の経費一覧|何がどこまで認められる?

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フクゼイ編集部

監修副業税金ナビゲーター

副業の税金・確定申告・会計ソフト選びを専門に扱うメディア。国税庁の公式情報をもとに、副業ワーカーが税務で困らないよう正確な情報を発信しています。

副業の節税で最も即効性があるのが「経費の正確な計上」だ。所得税法第37条では、収入を得るために直接必要な支出を必要経費と定めている。自宅の家賃やスマホ代も、仕事で使う割合(按分)を合理的に計算すれば経費にできる。この記事では副業で計上できる経費14種類の一覧と、税務署に認められる3つの条件を具体例で解説する。

副業の経費として認められる基本原則

税務署が経費として認めるのは「副業の収入を得るために直接かつ必要な支出」だけだ(所得税法第37条)。この原則を外れた支出は、たとえ実際に使ったものでも経費として認められない。副業の所得区分(雑所得 vs 事業所得)によって控除の扱いが変わる点は「副業の雑所得と事業所得の違い」(/column/fukugyou-zasshotoku-jigyoshotoku)で解説している。なお、経費の集計から申告書の作成までの流れは<a href="/column/fukugyou-shiroiro-shinkoku-yarikata">副業の白色申告やり方ガイド</a>も参考になる。経費を正確に記録するための帳簿のつけ方は<a href="/column/fukugyou-chobo-tsukekata">副業の帳簿のつけ方完全ガイド</a>にまとめている。

  • 直接関連性:副業の種類・内容と支出の関連が明確なこと(例:ライター業→書籍代 ◎、ライター業→ゴルフウェア ✗)
  • 実際の支出:架空の費用や、実際には払っていない費用は不可
  • 証明可能性:領収書・クレジットカード明細・銀行記録等で支出を証明できること
  • 按分の合理性:プライベートと兼用の場合は、合理的な根拠による按分が必要
情報

経費の3要件:①副業に直接関連している、②支出が実際に発生している、③金額が合理的で証明できる。この3つを満たすかどうかで判断します。

副業・フリーランスで経費になる費用一覧

以下の費用は、副業に関連していると証明できれば経費計上が可能だ。副業の種類によって関連性の判断が変わる点に注意する。たとえばウーバーイーツなどデリバリー副業では交通費・スマホ代・自転車維持費が主な経費になる。詳しくは<a href="/column/ubereats-kakuteishinkoku">ウーバーイーツの確定申告やり方</a>を参照してほしい。せどり特有の経費(販売手数料・梱包材・リサーチツール等)は<a href="/column/sedori-kakuteishinkoku">せどりの確定申告ガイド</a>で、ハンドメイド販売の材料費や販売手数料の扱いは<a href="/column/handmade-kakuteishinkoku">ハンドメイドの確定申告</a>で詳しくまとめている。

※ 副業に直接関連していることが条件。按分「必要」はプライベートとの兼用時
費用の種類勘定科目按分主な証明書類
交通費(打合せ・取材・移動)旅費交通費不要(仕事分のみ)ICカード明細・領収書・出張記録
通信費(スマホ・ネット回線)通信費必要(兼用の場合)請求書・利用明細
PC・タブレット・スマートフォン消耗品費 or 工具器具備品必要(兼用の場合)購入レシート・領収書
ソフトウェア・サブスクリプション消耗品費 or 支払手数料必要(兼用の場合)契約書・利用明細
書籍・専門誌・情報教材新聞図書費不要(副業関連なら)レシート・領収書
セミナー・オンライン講座受講料研修費不要(副業スキル向上)受講証・領収書
オフィス家賃・コワーキング費用地代家賃必要(自宅兼用の場合)賃貸契約書・利用記録
光熱費(電気・ガス・水道)水道光熱費必要(自宅兼用の場合)明細書・按分計算書
接待・会食費接待交際費一部不要領収書(参加者・目的記入)
広告費(SNS広告・サイト運営費)広告宣伝費不要(副業用)広告管理画面・請求書
外注費・業務委託費外注費不要契約書・請求書・振込記録
名刺・文具・印刷費消耗品費必要(兼用の場合)レシート・領収書
プロフィール写真撮影費広告宣伝費 or 雑費不要(副業用)領収書
ドメイン・サーバー代通信費 or 広告宣伝費不要(副業用)請求書・クレカ明細

自宅作業の按分計算:家賃・光熱費の経費化

自宅をオフィスとして使っている場合、家賃・光熱費・インターネット代の一部を経費にできます。ポイントは「合理的な根拠で計算した按分率を使うこと」です。よく使われる2つの方法を解説します。家賃按分の計算手順や税務調査で認められる注意点の詳細は<a href="/column/fukugyou-yachin-anbun-keihi">副業の家賃按分ガイド</a>をご覧ください。

按分の計算根拠(間取り図・仕事時間の記録)は必ず保存すること
按分方法計算方法具体例
面積按分(家賃・ネット)仕事部屋面積 ÷ 総面積16㎡ ÷ 80㎡ = 20% → 家賃10万円なら2万円/月が経費
時間按分(光熱費)仕事時間 ÷ 在宅時間8時間 ÷ 16時間(在宅時間)= 50% → 電気代15,000円なら7,500円/月が経費
複合按分(電気代など)面積按分 × 時間按分20% × 50% = 10% を経費に計上
注意

按分の根拠となる記録(間取り図・仕事時間の記録)は保存しておいてください。税務調査で「どうやって計算したか」を聞かれたときに証明できることが重要です。

10万円以上の機器・設備の扱い(減価償却)

10万円以上の備品・機器は「資産」として扱われ、原則として耐用年数に応じて複数年で経費化(減価償却)する。ただし、青色申告事業者なら30万円未満の備品を一括経費化できる特例がある。

※ 青色申告の「30万円未満即時経費化」は年間合計300万円まで(中小企業者等)
取得価額白色申告青色申告(事業所得)
10万円未満全額経費(消耗品)全額経費(消耗品)
10万円〜20万円未満3年間で均等償却 or 一括償却資産として3年で均等経費化一括償却 or 30万円特例で全額即時経費化
20万円〜30万円未満耐用年数に応じて減価償却30万円未満特例で全額即時経費化(青色のみ)
30万円以上耐用年数に応じて減価償却耐用年数に応じて減価償却
ポイント

PCやカメラなど副業用の機器を年末に購入した場合、青色申告(事業所得)なら30万円未満まで全額その年の経費にできる(租税特別措置法第28条の2)。青色申告と白色申告の違いは「青色申告と白色申告の違い」(/column/aoiro-shiroiro-chigai)で解説している。

NG経費:税務署に否認されやすい費用

経費にしたくても、税務調査で否認されやすい支出がある。以下を参考に、リスクのある経費計上を避けよう。なお、メルカリなどフリマアプリでの副業は仕入れ・手数料が主な経費になる。詳しくは<a href="/column/mercari-kakuteishinkoku">メルカリの確定申告ガイド</a>を参照。

  • 食費・日常の外食:接待目的でなく個人の食事は経費不可。取引先との会食なら接待交際費として可(相手の名前・目的を記録すること)
  • 衣服・ファッション:「仕事用」と主張しても、私生活でも使えるものは通常経費不可(制服・ユニフォーム等は例外)
  • 旅行費用:業務目的のない観光・プライベート旅行は不可。取材・視察を兼ねた出張でも、私的な部分は按分が必要
  • 健康食品・美容費用:業務に直接関係しないとして否認される場合が多い
  • 家族への給与(青色事業専従者外):白色申告では家族への給与の経費計上は原則不可。青色申告の「専従者給与」制度を活用する必要がある
  • 架空の外注費:実際には支払いをしていない外注費を計上することは脱税行為
注意

「グレーな経費」を大量に計上すると税務調査のリスクが高まります。不安な場合は税理士に相談するか、明確に業務関連の費用のみを計上することをお勧めします。

経費管理のコツ:会計ソフトで楽に記録する

経費を漏れなく正確に記録するには、日々の継続的な記帳が欠かせない。会計ソフトを使えば、銀行・クレジットカードの取引を自動で取り込み、勘定科目も自動分類されるため、記録の手間を大幅に削減できる。

ポイント

freee・マネーフォワード等の会計ソフトはスマホアプリでレシート読み取り機能がある。外出先でもその場で経費入力でき、領収書の管理が格段にラクになる。会計ソフトの選び方は「会計ソフトの選び方」(/column/kaikei-soft-erabikata)で3社を比較している。

  • 副業用の銀行口座・クレジットカードを分ける(プライベートと混ざらないように)
  • 会計ソフトに銀行・カードを連携して取引を自動取り込み
  • 按分が必要な費用は、その都度按分率と計算根拠をメモする
  • 領収書・レシートはスマホで即座に写真撮影→会計ソフトにアップロード(電子帳簿保存法に対応)
  • 月末に経費の合計を確認し、漏れがないかチェック
  • 年1回の確定申告前に、経費一覧を税理士か信頼できる人に確認してもらう

よくある質問

Q. 副業の経費は領収書がないと認められませんか?

領収書は最も確実な証拠ですが、クレジットカードの明細・銀行振込の記録・レシートも有効です。インターネット購入の場合は注文確認メールや購入履歴も証明書類になります。ただし、現金払いで領収書もない場合は証明が困難になるため、経費の支払いはできるだけキャッシュレスで行うことを推奨します。

Q. 自宅を仕事場として使っている場合、家賃や光熱費は経費になりますか?

副業・仕事に使用している割合(按分)を合理的な根拠で計算すれば、経費として計上できます。よく使われる按分方法は「仕事専用スペースの面積 ÷ 自宅総面積」です。例えば自宅80㎡のうち仕事部屋16㎡なら20%が経費になります。曖昧な按分は税務調査で否認されるリスクがあるため、計算根拠を記録しておくことが重要です。

Q. 副業で使うスマートフォンや車の費用は全額経費になりますか?

プライベートと仕事で兼用している場合は、仕事で使用する割合(按分比率)だけを経費にできます。スマートフォンは通話時間・データ通信量の仕事比率、車は走行距離の仕事比率が一般的な根拠です。仕事専用で購入した機器は全額経費にできます。副業専用と証明できないものは按分が必要です。

Q. 副業収入が雑所得の場合と事業所得の場合で、経費の扱いは変わりますか?

雑所得・事業所得いずれも「事業に直接関連する費用」は経費として計上できます。ただし、事業所得は「青色申告特別控除(最大65万円)」の対象ですが雑所得は対象外です。また、事業所得は赤字を他の所得と相殺(損益通算)できますが、雑所得の赤字は原則として相殺不可です。

Q. 経費を多く計上すれば節税になりますが、上限はありますか?

経費に上限はありませんが、「実際に副業のために支出した費用」に限られます。架空の経費計上や、私的な支出を経費に混ぜることは脱税行為です。税務調査で虚偽の経費が発覚した場合、重加算税(35〜40%)や延滞税が課されます。節税は正当な経費の計上と控除制度の活用で行ってください。