副業がある会社員の年末調整と確定申告|両方必要なケースをすべてまとめた
※本ページにはプロモーションが含まれています
「年末調整をしたから確定申告は不要」——副業がある会社員はこの誤解が多い。年末調整は本業の給与についての手続きであり、副業所得については別途確定申告が必要だ。両方が必要な理由、申告してはいけないパターン、スケジュールをまとめて解説する。
年末調整と確定申告の根本的な違い
年末調整と確定申告は似たような名前だが、役割がまったく異なる手続きだ。混同しないために、それぞれの目的と対象を明確に理解しておこう。
| 項目 | 年末調整 | 確定申告 |
|---|---|---|
| 実施主体 | 勤務先(会社) | 本人(納税者) |
| 対象所得 | 本業の給与所得のみ | すべての所得(給与+副業等) |
| 実施時期 | 毎年11〜12月 | 翌年2月16日〜3月15日 |
| 副業収入の申告 | 含めてはいけない | 副業所得20万円超なら必須 |
| 手続き主体 | 会社の経理が代行 | 本人が税務署またはe-Taxで申告 |
副業がある場合に確定申告が必要な理由
副業収入がある会社員が確定申告を行う必要があるのは、年末調整では本業の給与のみが精算対象となり、副業で得た所得に対する税金が別途未計算のままになるからだ。
- 年末調整後に本業給与の税額は確定するが、副業所得は別途精算が必要
- 副業所得があることで所得税の税率(超過累進課税)が変わる場合がある
- 副業所得に対して予定納税が発生する場合もある
- 住民税の計算も確定申告のデータが使われるため、正確な申告が必要
副業収入(雑所得・事業所得)が年間20万円を超えているにもかかわらず確定申告をしない場合、無申告加算税(最大20%)や延滞税が課される可能性があります。
確定申告が必要になる3パターン
副業のある会社員が確定申告を行う必要があるケースは、大きく3つのパターンに分類できる。
パターン①:副業所得(雑所得・事業所得)が年間20万円超
最も多いケース。アフィリエイト・フリーランス報酬・クラウドソーシングなどで得た所得が年間20万円を超える場合、確定申告が必要になる。「所得(収入 − 経費)」で判定するため、収入が20万円を超えていても経費を引いた所得が20万円以下なら確定申告不要(住民税申告は必要)。
パターン②:副業が給与所得(アルバイト等)で年間20万円超
本業以外でアルバイト・パートなどの雇用契約による収入がある場合、副業先からの給与収入が年間20万円を超えると確定申告が必要。この場合、二か所から給与を受け取ることになり、主たる勤務先で年末調整を受けた上で、もう一方の給与を確定申告で申告する必要がある。
パターン③:20万円以下でも確定申告する場合(任意申告)
副業所得が20万円以下で確定申告義務がなくても、医療費控除・ふるさと納税(寄附金控除)・住宅ローン控除(初年度)などの控除を受けるために確定申告をする場合がある。この場合、副業所得も一緒に申告することで住民税の申告が不要になる。
年末調整で副業収入を申告してはいけない理由
年末調整の書類(扶養控除等申告書・保険料控除申告書など)に副業収入を記入してしまうミスが見られるが、これは間違いだ。
- 年末調整の対象は給与所得のみ。副業の雑所得・事業所得を記入する欄が存在しない
- 誤って記入すると会社の経理処理が混乱し、修正対応が発生する
- 会社が副業の存在を把握することになり、就業規則上の問題になりうる
- 住民税の計算に二重申告の影響が出る可能性がある
副業収入は年末調整書類に記入せず、確定申告(翌年2〜3月)で申告してください。年末調整書類には本業の勤務先から受け取った給与・控除の情報のみを記入します。
アルバイト副業(給与所得)の注意点
副業がアルバイト・パートなど雇用契約に基づく「給与所得」の場合は、雑所得・事業所得とは異なるルールが適用される点に注意が必要だ。
- 副業先でも毎月「源泉徴収」されている場合が多く、年末に二社の源泉徴収票が手元に揃う
- 主たる勤務先(本業)で年末調整を受け、副業先の給与収入は確定申告で申告する
- 副業先から「扶養控除等申告書」の提出を求められた場合は提出しない(主たる勤務先のみに提出する)
- 住民税の普通徴収を選択しにくいため、本業の給与天引き住民税が増加する可能性がある
医療費控除・ふるさと納税と同時申告の手順
副業の確定申告と同時に、医療費控除やふるさと納税(寄附金控除)も一緒に申告できる。一度の確定申告で複数の控除をまとめて処理しよう。
- 年間の副業所得・収入・経費を集計する(会計ソフトを使うと自動集計できる)
- 医療費控除の明細書を作成する(年間の医療費領収書をまとめる)
- ふるさと納税の寄附金受領証明書を手元に準備する
- 確定申告書等作成コーナー(e-Tax)または会計ソフトで申告書を作成する
- 副業収入・医療費控除・寄附金控除を順番に入力する
- e-Taxで電子申告するか、書面を印刷して税務署へ提出する
やよいの青色申告・マネーフォワード クラウド確定申告を使えば、副業所得・医療費控除・ふるさと納税をまとめて入力でき、自動計算された申告書をそのままe-Tax送信できます。
年末調整・確定申告のスケジュール早見表
副業がある会社員が1年間でやることを時系列で整理した。期限を見逃さないよう確認しておこう。
- 11〜12月
年末調整(会社が主体)
勤務先から書類が配布される。本業の給与・控除のみ記入。副業収入は記入しない
- 1月末
副業先から源泉徴収票が届く
副業が給与所得の場合のみ。紛失しないよう保管する
- 2月上旬
副業所得の集計・申告書の作成開始
会計ソフトで年間の副業収入・経費を集計。確定申告書を作成する
- 2月16日〜3月15日
確定申告の提出期間
e-Taxまたは書面で税務署へ提出。還付申告は1月1日から可能
- 3月15日
所得税の納付期限
追加納税がある場合はこの日までに納付。口座振替は4月20日頃
- 5〜6月
住民税の決定通知が届く
普通徴収を選んだ場合は納付書が届く。第1期(6月)の納付を行う
よくある質問
Q. 年末調整をした後に確定申告もしなければなりませんか?
副業所得(雑所得・事業所得)が年間20万円を超える場合は、年末調整とは別に確定申告が必要です。年末調整は本業の給与所得についての手続きであり、副業所得は含まれません。確定申告で副業所得と本業の給与所得を合算して税額を計算します。
Q. 年末調整で副業収入を申告してしまっても大丈夫ですか?
年末調整の書類に副業収入を記入してはいけません。年末調整は給与所得のみを対象とした手続きです。副業収入を記入すると会社の経理が混乱し、住民税の計算にも悪影響が生じます。副業収入は必ず確定申告(翌年2〜3月)で申告してください。
Q. 副業が20万円以下の場合、年末調整だけで完結しますか?
所得税については年末調整で完結します(確定申告不要)。ただし住民税の申告は別途必要です。また医療費控除やふるさと納税の還付を受けたい場合は、金額にかかわらず確定申告を行うことで副業所得も一緒に申告でき、住民税申告が不要になります。
Q. 副業がアルバイト(給与所得)の場合も確定申告が必要ですか?
本業と副業の両方が給与所得の場合、合算した給与収入が150万円を超えるか、副業の給与収入が20万円を超える場合は確定申告が必要です。ただし主な勤務先で年末調整を受けた上で、副業の給与収入が年20万円以下であれば確定申告不要(住民税の申告は必要)です。
Q. ふるさと納税のワンストップ特例は副業がある場合でも使えますか?
副業所得が20万円を超えて確定申告が必要な人は、ワンストップ特例は使えません。確定申告で寄附金控除として申告する必要があります。なお確定申告でふるさと納税を申告すると、所得税からの還付+住民税からの控除の両方が受けられます。
Q. 医療費控除と確定申告を同時に行う場合の手順を教えてください
確定申告書に副業所得と医療費控除の両方を記入します。医療費控除は「医療費控除の明細書」に医療機関名・支払額を記載して添付します。確定申告書等作成コーナー(e-Tax)では、手順に沿って入力するだけで自動計算されます。領収書は5年間保管してください(提出不要)。