副業の社会保険|2社加入の条件と保険料計算
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副業がフリーランス・業務委託なら、社会保険は変わらない。アルバイトで週20時間以上・月88,000円以上働く場合のみ、2社加入の義務が生じる。この記事では副業形態別の社会保険の扱いと、2社加入時の保険料按分計算を具体例で解説する。
副業しても社会保険が変わらないケース
副業を始めても、大半のケースでは本業の社会保険に変更はない。社会保険が変わらない条件を確認しよう。
- 副業が業務委託・請負・フリーランス(雇用契約なし):雇用関係がないため社会保険加入義務なし
- 副業先が週20時間未満のアルバイト:所定労働時間が基準を下回る場合は加入不要
- 副業先の月収が88,000円未満:賃金要件を満たさない場合は加入不要
- 副業先が従業員51人未満の企業:2024年10月時点の適用拡大対象は従業員51人以上の企業まで。50人以下の企業では上記条件を満たしても加入義務はない
2社加入の義務が発生する5つの条件
副業先で社会保険の加入義務が生じる条件は5つだ。全てを満たす場合のみ加入が必要になる。
| 条件 | 基準 | 備考 |
|---|---|---|
| ①所定労働時間 | 週20時間以上 | 残業・臨時勤務は除く |
| ②月額賃金 | 88,000円以上 | 残業代・交通費は除く |
| ③雇用期間 | 2か月超の見込み | 短期は除外 |
| ④学生でないこと | 昼間学生は除外 | 夜間学生は加入対象 |
| ⑤企業規模 | 従業員51人以上 | 2022年10月:101人以上→51人以上に拡大(2024年10月施行) |
2024年10月適用拡大の影響
2024年10月から、社会保険の適用対象が従業員51人以上の企業に拡大された。以前は101人以上だったため、新たに対象となる副業アルバイトが増えている。
- 従業員51人以上の企業で週20時間以上・月88,000円以上のアルバイトをしている場合、加入対象になった
- 副業先も社会保険の手続きをする義務が生じるため、副業の存在が本業の会社に間接的に知られるリスクが高まった
- 加入義務があるにもかかわらず副業先が手続きをしない場合、副業先が行政指導を受ける
- 2社加入のメリットもある。厚生年金の加入期間と報酬月額が増えるため、将来の年金受給額が増加する
2024年10月の適用拡大は「従業員51人以上の企業」が対象です。従業員50人以下の企業では、週20時間以上・月88,000円以上働いても社会保険の加入義務は発生しません。なお、ここでの従業員数は厚生年金保険の被保険者数(フルタイム+3/4以上の短時間労働者)で判定します。
2社加入時の保険料計算(按分)
2社加入になると保険料計算が複雑になる。日本年金機構が按分処理を行う。副業がバレるリスクについては「副業がバレる3つの原因」(/column/fukugyou-bare-ru)で解説している。確定申告の全体手順は「副業の確定申告ガイド」(/column/kakutei-shinkoku-guide)を参照。
- 本業と副業の報酬月額を合算して「総報酬月額相当額」を算出する
- 標準報酬月額を決定する(総報酬月額相当額をもとに)
- 健康保険料・厚生年金保険料の総額を算出する
- 各社の報酬額の割合に応じて按分する(本業 ÷ 合算 × 保険料総額)
- 各社が自社負担分を控除し、折半分を従業員の給与から天引きする
2社加入になった場合は「二以上事業所勤務届」を年金事務所または健康保険組合に届け出る必要があります。届出は原則として本人が行います(主たる事業所の管轄年金事務所へ)。
個人事業(フリーランス)副業なら社会保険が増えない理由
フリーランス副業なら社会保険料は1円も増えない。理由は「雇用関係がない」からだ。
- 社会保険(健康保険・厚生年金)は「雇用関係にある労働者」を対象とした制度
- 業務委託・請負・フリーランス契約は「雇用契約」ではなく「請負・委任契約」のため対象外
- 副業収入がいくら多くても、雇用契約がなければ副業先での社会保険加入義務は生じない
- ただし副業所得が増えることで健康保険の被扶養要件(年収130万円未満等)を超える場合は国民健康保険への切り替えが必要。扶養内の収入上限の詳細は<a href="/column/fukugyou-fuyo-ikuramade">副業で扶養内でいられる収入の上限</a>を参照
副業形態別の社会保険まとめ
副業の形態によって社会保険の扱いがどう変わるかを一表にまとめた。自分の副業形態と照らし合わせて確認しよう。
| 副業形態 | 雇用契約 | 社会保険追加加入 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| フリーランス・業務委託 | なし | 不要 | 扶養要件(年収130万円)に注意 |
| アルバイト(週20h未満・月88,000円未満) | あり | 不要 | 条件を超えると加入義務が発生 |
| アルバイト(週20h以上・月88,000円以上) | あり | 加入義務あり | 2社加入・按分処理が必要 |
| 副業先でも正社員・フルタイム | あり | 加入義務あり | 2社加入。本業発覚リスク高い |
よくある質問
Q. 副業を始めても本業の社会保険は変わりませんか?
副業が業務委託・フリーランス(個人事業)の場合は、原則として本業の社会保険は変わりません。雇用契約に基づかない副業(委託・請負)には社会保険の加入義務が生じないためです。ただし副業先で雇用契約を結び、一定以上の労働時間・賃金がある場合は2社加入が義務になります。
Q. 副業先で社会保険に加入しなければならない条件は何ですか?
①週の所定労働時間が20時間以上、②月額賃金88,000円以上、③2か月超の雇用見込み、④学生でないこと、⑤従業員51人以上の企業(2024年10月〜)の5つすべてに当てはまる場合に加入義務が生じます。いずれか一つでも満たさない場合は加入不要です。
Q. 2社加入になると保険料はどうなりますか?
2社加入になると、健康保険・厚生年金の保険料は2社の給与額を合算(総報酬月額相当額)して計算し、各社の給与割合に応じて按分(あんぶん)されます。合計保険料は1社加入時より増えるケースが多く、副業先でも保険料が天引きされることになります。
Q. フリーランス副業なら社会保険の追加負担はありませんか?
原則としてありません。フリーランス・業務委託・個人事業の副業は「雇用関係がない」とみなされるため、副業先での社会保険加入義務は生じません。ただし副業所得が増加して健康保険の被扶養者(家族の扶養)から外れる場合は、国民健康保険への加入が必要になります。
Q. 副業を会社に内緒にしたい場合、社会保険の処理で発覚しますか?
2社加入になると、年金機構が2社の保険料を按分するため、本業の会社宛に「二以上事業所勤務届」関連の通知が届きます。これが発覚のきっかけになります。フリーランス副業なら社会保険での発覚リスクはありませんが、住民税の増加には別途対策が必要です。詳しくは「副業の住民税を自分で払う方法」(/column/fukugyou-juminzei-futsuchousei)を参照してください。
Q. 副業の社会保険料は確定申告で控除できますか?
はい。副業先で天引きされた健康保険料・厚生年金保険料は「社会保険料控除」として確定申告で控除できます。年間の社会保険料支払額を集計して確定申告書に記入してください。副業先から源泉徴収票に記載されていない場合は、副業先に確認して証明書を取得しましょう。