会社員の副業の始め方|準備から税金対策まで
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厚生労働省は2018年に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を策定し、副業を推奨する方針を示した。実際に副業を認める企業は増加傾向にある。しかし「始め方がわからない」「税金が不安」で踏み出せない会社員は多い。この記事では、就業規則の確認から副業の選び方、税金・確定申告の準備まで、会社員が副業を始めるための全ステップを解説する。
副業を始める前にやるべき3つの準備
副業で失敗する会社員の多くは、準備なしに始めている。以下の3つを先に済ませることで、トラブルを未然に防げる。
①就業規則を確認する
副業を始める前に、まず自社の就業規則を確認する。労働基準法に副業禁止の規定はないが、就業規則で制限している会社は多い。「全面禁止」「届出制」「許可制」のどれに該当するかを把握しよう。就業規則は労働基準法第106条により社員への周知が義務付けられている。詳しくは「副業が禁止される理由と合法的に始める方法」(/column/fukugyou-kinshi-naze)で解説している。
②副業の目的と月収目標を決める
「月3万円のお小遣い」と「月30万円で独立準備」では、選ぶ副業も税務処理も変わる。目標を数字で決めておくと、副業の種類選びと確定申告の準備がスムーズになる。
- 月1〜3万円:スキマ時間でできる副業(アンケート・データ入力・フリマ出品)
- 月3〜10万円:スキルを活かす副業(ライティング・デザイン・プログラミング)
- 月10万円以上:事業として取り組む副業(コンサル・EC・アフィリエイト)→ 開業届の検討が必要
③時間の確保方法を決める
副業は本業の労働時間外で行う。過労で本業に支障が出れば本末転倒だ。週10〜15時間が現実的な目安になる。
- 平日夜(20〜23時):3時間 × 5日 = 15時間/週
- 休日(土日どちらか半日):4時間 × 1日 = 4時間/週
- 通勤時間の活用:情報収集・メール返信に充てる
労働基準法第38条第1項は、複数の事業場で働く場合の労働時間を通算すると定めている。副業先での労働時間が長すぎると、36協定の上限を超えるリスクがある。雇用契約ではなく業務委託で副業を行えば、この問題を回避できる。
副業の種類と税務上の違い(所得区分別)
副業の種類によって税務上の所得区分が変わり、確定申告の方法も異なる。副業を選ぶ段階で所得区分を把握しておくと、後の申告がスムーズになる。所得区分の詳しい判断基準は「副業の雑所得と事業所得の違い」(/column/fukugyou-zasshotoku-jigyoshotoku)で解説している。
| 副業タイプ | 具体例 | 所得区分 | 確定申告の難易度 | 月収目安 |
|---|---|---|---|---|
| クラウドソーシング | ライティング・デザイン・翻訳 | 雑所得 or 事業所得 | 中(経費計上あり) | 1〜20万円 |
| 物販・転売 | メルカリ・Amazon・ハンドメイド | 雑所得 or 事業所得 | 中(仕入・在庫管理) | 1〜50万円 |
| アフィリエイト・ブログ | 広告収入・ASP報酬 | 雑所得 or 事業所得 | 低〜中 | 0〜30万円 |
| アルバイト・パート | 飲食・コンビニ・配達 | 給与所得 | 低(源泉徴収済み) | 3〜10万円 |
| コンサル・講師 | 専門知識の提供 | 雑所得 or 事業所得 | 中 | 5〜50万円 |
| 投資・資産運用 | 株・FX・不動産 | 譲渡所得・配当所得等 | 証券口座で完結する場合は不要 | 変動 |
アルバイト(給与所得)は会社にバレやすい。副業先から給与支払報告書が自治体に提出されるため、住民税の普通徴収が選べない場合がある。バレたくないなら業務委託型の副業を選ぶのが安全だ。
副業を始めたら知っておくべき税金の基礎
副業収入には所得税と住民税がかかる。ここでは副業の税金で最低限知っておくべき3つのポイントを整理する。
①20万円ルール:確定申告が必要になるライン
副業の所得(収入−経費)が年間20万円を超えると、所得税の確定申告が必要だ(所得税法第121条)。20万円以下でも住民税の申告は別途必要。「20万円以下なら何もしなくてOK」は誤解だ。詳しくは「副業20万円ルールの3つの落とし穴」(/column/20man-rule)を参照。
②確定申告が必要なケース
以下のいずれかに該当する場合は確定申告が必要だ。
- 副業所得(収入−経費)が年間20万円を超える
- 2か所以上から給与を受けている(ダブルワーク)
- 医療費控除・ふるさと納税(6自治体以上)で還付申告をする
- 年の途中で退職して年末調整を受けていない
確定申告の全手順は「副業の確定申告ガイド」(/column/kakutei-shinkoku-guide)で解説している。初めての人はこの記事を先に読むとスムーズだ。
③住民税でバレないための対策
副業が会社にバレる最大の原因は住民税の増加だ。確定申告書の第二表で「普通徴収(自分で納付)」を選べば、副業分の住民税が会社に通知されない。これだけで住民税経由のバレはほぼ防げる。詳しくは「副業がバレる3つの原因と防ぎ方」(/column/fukugyou-bare-ru)を参照。
副業開始後の税金チェックリスト
副業を始めた日からやるべき税務関連のタスクをチェックリストにまとめた。これを実行すれば確定申告で慌てることはない。
自分の副業収入でどのくらい税金がかかるかは「副業税金チェック」(/tools/tax-check)で即座に判定できる。確定申告が必要かどうかもわかる。
- 副業用の銀行口座を開設し、プライベートと分ける
- 会計ソフト(やよい・freee・マネーフォワード)を導入して記帳を開始する。選び方は「会計ソフトの選び方」(/column/kaikei-soft-erabikata)を参照
- 経費になるレシート・領収書を保管する。計上できる経費は「副業の経費一覧」(/column/fukugyou-keihi-ichiran)で確認
- 副業所得が20万円を超えそうなら、確定申告の準備を始める
- 事業として本格化するなら開業届を提出する。判断基準は「副業の開業届」(/column/fukugyou-kaigyodoke-dasuka)を参照
- 確定申告時に住民税を「普通徴収」に設定する(バレ防止)
- 翌年2〜3月に確定申告書を提出する(e-Taxならスマホで完結)
よくある質問
Q. 副業は法律で禁止されていませんか?
労働基準法に副業を禁止する条文はありません。副業を制限できるのは会社の就業規則のみです。厚生労働省も「副業・兼業の促進に関するガイドライン」で原則容認の方針を示しています。詳しくは「副業が禁止される理由と合法的に始める方法」(/column/fukugyou-kinshi-naze)で解説しています。
Q. 副業収入がいくらになったら確定申告が必要ですか?
副業の所得(収入−経費)が年間20万円を超えると、所得税の確定申告が必要です(所得税法第121条)。20万円以下でも住民税の申告は別途必要です。詳しくは「副業20万円ルールの3つの落とし穴」(/column/20man-rule)を参照してください。
Q. 副業が会社にバレることはありますか?
最大の原因は住民税の増加です。確定申告書で住民税を「普通徴収(自分で納付)」に設定すれば、会社に届く住民税通知に副業分が含まれなくなります。普通徴収の手続きは「副業の住民税を自分で払う方法」(/column/fukugyou-juminzei-futsuchousei)で解説しています。
Q. 副業にはどんな種類がありますか?
大きく分けて「クラウドソーシング(ライティング・デザイン等)」「物販(メルカリ・せどり)」「スキル販売(コンサル・講師)」「投資・資産運用」の4タイプがあります。税務上は所得区分(雑所得・事業所得・給与所得)が異なるため、確定申告の方法も変わります。
Q. 副業を始める前に最低限やるべきことは何ですか?
①就業規則で副業が許可されているか確認する、②副業用の銀行口座を分ける、③会計ソフト(やよい・freee・マネーフォワード)を導入して記帳を開始する——この3つです。記帳は始めた日から遡れないため、副業を始めたその日から記録を開始してください。