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【2026年】副業の家賃を経費に|家事按分の計算と注意点

【2026年】副業の家賃を経費に|家事按分の計算と注意点

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フクゼイ編集部

監修副業税金ナビゲーター

副業の税金・確定申告・会計ソフト選びを専門に扱うメディア。国税庁の公式情報をもとに、副業ワーカーが税務で困らないよう正確な情報を発信しています。

副業で在宅ワークをしているなら、自宅の家賃・光熱費・通信費を経費にできます。ただし全額ではなく、仕事に使っている割合だけが対象です。この計算を「家事按分」と呼び、所得税法施行令第96条に基づく合法的な節税手段です。面積割合・時間割合の具体的な計算方法から、確定申告書の記入手順、税務調査で否認されない按分の根拠まで解説します。

副業の家賃は経費にできる——条件と法的根拠

副業で在宅ワークをしている場合、自宅の家賃の一部を経費として計上できます。根拠は所得税法施行令第96条で、「家事関連費のうち、業務の遂行上直接必要であることが明らかに区分できる部分」に限り必要経費として認められると定めています。<br><br>ポイントは「一部」という点です。家賃全額を経費にするのは認められません。仕事に使用している割合(按分比率)だけが経費の対象になります。この計算方法を「家事按分」と呼びます。<br><br>副業の経費全般の考え方については<a href="/column/fukugyou-keihi-ichiran">副業の経費一覧</a>で解説しています。節税の全体像は<a href="/column/fukugyou-setsuzei-gohoriteki">副業の合法的な節税方法</a>も参考にしてください。

在宅ワーク用のホームオフィス——副業の家賃按分が経費計上の対象となる
在宅ワーク用のホームオフィス——副業の家賃按分が経費計上の対象となる
注意

家賃全額を経費にすると税務調査で否認されるリスクがあります。必ず合理的な根拠に基づいた按分比率を計算し、その根拠を記録・保管してください。

家事按分とは——「50%超ルール」を知っておく

家事按分とは、家事(プライベート)と業務の両方に使う費用を、業務使用割合に応じて分けて経費計上する方法です。家賃のほか、光熱費・インターネット通信費・スマートフォン代なども対象になります。<br><br>国税庁の通達(所得税基本通達45-1)では、家事関連費の必要経費算入について重要な規定があります。支出額のうち業務の遂行上直接必要な部分が「支出額の50%を超える」場合に限り、その全部または一部を必要経費として計上できるとされています。<br><br>つまり、自宅の大半をプライベートで使っていて仕事の割合が低い場合は、経費として認められないリスクがあります。在宅での副業が主要な作業場所であることを示せるかどうかが重要なポイントです。

情報

「50%超ルール」の実務的な意味:副業が雑所得で、自宅を少しだけ仕事に使う程度なら、厳密には按分経費の計上が否認されるケースもあります。在宅での副業が実態として継続的に行われていることを確認してください。

面積割合方式での按分計算——シミュレーション早見表付き

最も税務署に認められやすい按分方法は「面積割合方式」です。計算式はシンプルで、仕事に使っているスペースの床面積を自宅の総床面積で割るだけです。<br><br><strong>計算式</strong><br>按分比率 = 仕事用スペースの床面積(㎡)÷ 自宅の総床面積(㎡)<br>経費になる家賃 = 月額家賃 × 按分比率<br><br><strong>具体例</strong><br>自宅の総床面積:60㎡、仕事部屋の面積:12㎡の場合<br>按分比率 = 12 ÷ 60 = 20%<br>月額家賃10万円なら、経費 = 10万円 × 20% = 2万円/月(年間24万円)<br><br>リビングなどを仕事にも使う場合は、使用時間の割合をさらに掛け合わせる方法もあります(例:リビング20㎡のうち、6時間/日を仕事に使う場合 → 20㎡ × 6/24 = 5㎡相当)。

家賃按分の計算に使う税務書類と電卓——面積割合で経費額を算出する
家賃按分の計算に使う税務書類と電卓——面積割合で経費額を算出する
月額家賃別・按分比率別の経費計上額(月あたり)
月額家賃按分10%按分20%按分30%按分50%
6万円6,000円12,000円18,000円30,000円
8万円8,000円16,000円24,000円40,000円
10万円10,000円20,000円30,000円50,000円
12万円12,000円24,000円36,000円60,000円
15万円15,000円30,000円45,000円75,000円

時間割合方式での按分計算——リビング兼用のケースに有効

専用の仕事部屋がない場合や、リビングをメインの作業場所にしている場合は「時間割合方式」が適しています。<br><br><strong>計算式</strong><br>按分比率 = 1日の業務時間 ÷ 24時間(または業務日数 ÷ 30日)<br>経費になる家賃 = 月額家賃 × 按分比率<br><br><strong>具体例</strong><br>平日5日 × 3時間/日、月20日業務の場合<br>1日あたりの按分比率 = 3 ÷ 24 ≒ 12.5%<br>月の業務日数ベース = 20 ÷ 30 ≒ 66.7%<br>合計按分比率 = 12.5% × 66.7% ≒ 8.3%<br>月額家賃10万円なら、経費 = 約8,300円/月<br><br>時間割合方式のデメリットは、業務時間の記録が必要な点です。タイムトラッキングアプリや業務日誌を使って記録を残しておきましょう。面積割合方式と時間割合方式を組み合わせることもできます(兼用スペースの場合)。

ポイント

どちらの方式を選ぶかは状況次第です。専用の仕事部屋がある場合は面積割合方式が簡単で説得力があります。専用スペースがない場合は時間割合方式を使い、業務時間の記録を残してください。

家賃以外に按分できる費用の種類

家事按分は家賃だけでなく、副業に関連するさまざまな自宅経費に使えます。それぞれの按分方法と注意点を以下の表でまとめます。光熱費や通信費の按分を活用することで、さらに節税効果が高まります。

家事按分の対象となる費用と按分方法
費用の種類勘定科目按分方法注意点
家賃・共益費地代家賃面積割合または時間割合同居家族への支払いは不可
電気代水道光熱費業務時間割合が一般的PC使用量ベースでも可
ガス・水道代水道光熱費業務時間割合在宅業務での使用が前提
インターネット通信費業務使用時間割合使用頻度が高いほど按分比率UP
スマートフォン通信費業務使用時間または通話時間割合プライベートと完全に分けるのが理想
火災保険損害保険料面積割合年払いの場合は按分後に月割り
情報

全ての費用を一度に按分しようとせず、実際に業務で使っている費用だけを対象にしてください。「形式的な経費計上」は税務調査で否認されるリスクが高まります。

確定申告書への按分経費の記入方法

家事按分で計算した経費は、確定申告書の「必要経費」として記入します。白色申告と青色申告で使う書類が異なります。<br><br><strong>白色申告(収支内訳書)の場合</strong><br>「収支内訳書(一般用)」の「経費の内訳」欄に記入します。<br>・地代家賃欄:家賃の按分額を記入<br>・水道光熱費欄:光熱費の按分額<br>・通信費欄:通信費の按分額<br>各欄の「うち家事分」に私的使用分を記入することで、経費額が自動的に按分されます。<br><br><strong>青色申告(青色申告決算書)の場合</strong><br>「青色申告決算書(一般用)」2面の「経費」欄に同様に記入します。やよいの青色申告オンラインやマネーフォワード クラウド確定申告を使えば、按分比率を設定するだけで自動計算されます。<br><br>白色申告の手順は<a href="/column/fukugyou-shiroiro-shinkoku-yarikata">副業の白色申告やり方</a>、青色申告の概要は<a href="/column/aoiro-shiroiro-chigai">青色申告と白色申告の違い</a>を参照してください。

確定申告書に家賃の按分経費を記入する作業——白色申告と青色申告で書類が異なる
確定申告書に家賃の按分経費を記入する作業——白色申告と青色申告で書類が異なる
ポイント

按分比率は税務署から説明を求められることがあります。自宅の間取り図(各部屋の面積が記載されたもの)や、業務日誌・タイムログを保管しておきましょう。

按分が認められないケース——税務調査で否認されないために

家事按分は合理的に計算すれば認められますが、以下のケースは否認されるリスクがあります。事前に確認しておきましょう。<br><br><strong>①根拠のない高い按分比率</strong><br>実態より高い按分比率(例:実際は週2日しか在宅作業しないのに50%を計上)は否認されます。按分比率は実態に即した数字にしてください。<br><br><strong>②証拠書類がない</strong><br>領収書・賃貸借契約書・間取り図・業務日誌など、按分の根拠となる書類は7年間保管が義務です(青色申告)。<br><br><strong>③同居家族への家賃</strong><br>配偶者や同居の親など、生計を一にする家族への家賃は所得税法第56条により経費にできません。<br><br><strong>④実態のない経費計上</strong><br>副業がほぼ行われていないにもかかわらず、家賃の按分を継続的に計上するのは問題です。副業収入が生じている年度に対応した経費を計上してください。

注意

家族への家賃(所得税法第56条)は経費不可。青色申告の「青色事業専従者」制度を使えば家族への給与は経費にできますが、事前の届出が必要です。家賃ではなく給与として取り扱う点に注意してください。

会計ソフトで家事按分を自動化する

家事按分の計算は毎月手動で行うと煩雑です。会計ソフトを使えば、按分比率を一度設定するだけで自動的に経費が分割されます。<br><br><strong>やよいの青色申告オンライン</strong><br>経費の入力時に「家事按分」のチェックボックスがあり、按分比率を設定すると自動計算されます。副業の雑所得・事業所得どちらにも対応しています。確定申告書の自動作成まで一気通貫で完結します。<br><br><strong>マネーフォワード クラウド確定申告</strong><br>取引登録時に按分設定が可能で、銀行口座・クレジットカードを連携すると家賃引き落としを自動取り込みして按分まで処理できます。<br><br>確定申告の電子申告(e-Tax)まで含めた手順は<a href="/column/fukugyou-etax-smartphone">副業のスマホ確定申告</a>を参照してください。副業の節税全体については<a href="/column/fukugyou-setsuzei-gohoriteki">副業の合法的な節税方法</a>もあわせてご覧ください。<br><br><p style="margin-top:24px"><a href="https://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=4AZGC4+2XDT62+35XE+609HU" rel="nofollow sponsored" referrerpolicy="no-referrer-when-downgrade" target="_blank" style="display:inline-block;background:#ffa214;color:#fff;padding:12px 24px;border-radius:6px;font-weight:bold;text-decoration:none">やよいの青色申告オンライン — 初年度無料で試す</a></p><img src="https://www10.a8.net/0.gif?a8mat=4AZGC4+2XDT62+35XE+609HU" width="1" height="1" style="display:none" alt="" loading="lazy" /><p style="margin-top:12px"><a href="https://px.a8.net/svt/ejp?a8mat=4AZGC4+2JOU96+4JGQ+HUD03&a8ejpredirect=https%3A%2F%2Fbiz.moneyforward.com%2Fcampaign%2Ftax_return%2F40304%2F" rel="nofollow sponsored" referrerpolicy="no-referrer-when-downgrade" target="_blank" style="display:inline-block;background:#2563eb;color:#fff;padding:12px 24px;border-radius:6px;font-weight:bold;text-decoration:none">マネーフォワード クラウド確定申告 — 無料で始める</a></p>

ポイント

会計ソフトの家事按分機能を使うと、毎月の記帳と年末の確定申告が大幅に楽になります。副業を本格化させる前に会計ソフトを導入することをおすすめします。

よくある質問

Q. 副業の家賃は全額経費にできますか?

全額は認められません。自宅のうち副業に使っているスペースの割合(按分比率)だけが経費になります。例えば、自宅60㎡のうち仕事部屋12㎡なら按分比率は20%で、家賃10万円のうち2万円が経費として計上できます。按分の根拠(面積の実測値など)を記録・保管しておくことが重要です。

Q. 家事按分の按分比率はどう決めればよいですか?

最も一般的で税務署にも認められやすいのは「面積割合方式」です。仕事に使用している部屋の床面積 ÷ 自宅の総床面積で算出します。時間割合方式(1日の業務時間 ÷ 24時間)も使えますが、記録の管理が必要です。どちらの方式でも「合理的な根拠があること」が最重要条件です。

Q. 家族への家賃も経費にできますか?

生計を一にする家族(配偶者・親など同居家族)への家賃は、所得税法第56条により経費にできません。例外として、青色申告の事業所得で「青色事業専従者給与」として届け出た家族への給与(家賃ではなく給与)は経費になる場合があります。

Q. 家事按分は雑所得でも使えますか?

使えます。副業の所得が雑所得(業務)でも事業所得でも、仕事に使った分の家賃・光熱費・通信費を必要経費として控除できます。ただし、事業所得と比べて雑所得は青色申告特別控除(最大65万円)が使えない点が異なります。

Q. 按分比率を途中で変更してもよいですか?

引越しや仕事部屋の変更など、実態が変わった場合は変更できます。ただし、税額が増える都合に合わせて比率を毎年変えるのは否認リスクがあります。変更理由を記録しておき、実態に即した按分比率を一貫して使うことが重要です。