【2026年最新】副業の赤字で確定申告|還付の条件と手順
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副業の赤字は、確定申告で本業の給与から差し引ける。これが「損益通算」(所得税法第69条)です。ただし損益通算が使えるのは副業が「事業所得」の場合だけ。雑所得では赤字を通算できません。この記事では還付を受けるための3条件、年収別の還付金額シミュレーション、e-Taxでの手順、税務署に否認されるNGパターンまで解説します。
副業の赤字で所得税が還付される仕組み
副業の赤字は、確定申告で本業の給与から差し引けます。これが「損益通算」です。
会社員の所得税は毎月の給与から源泉徴収されています。年末調整で精算されますが、副業の赤字は年末調整に反映されません。そのため確定申告で損益通算を行うことで、払いすぎた所得税が還付されます。
損益通算は<a href="https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2250.htm">国税庁 No.2250</a>で定められた制度です。対象となる所得は<strong>事業所得・不動産所得・譲渡所得・山林所得</strong>の4つに限定されています(所得税法第69条)。
重要なのは、副業が「雑所得」に分類される場合は損益通算ができないという点です。雑所得の赤字は他の所得と相殺できず、その年の雑所得がゼロになるだけです。所得区分の違いについては<a href="/column/fukugyou-zasshotoku-jigyoshotoku">副業の雑所得と事業所得の違い</a>で詳しく解説しています。
損益通算できるのは事業所得の赤字のみです。雑所得の赤字は他の所得と通算できません。副業を事業所得にするには帳簿の保存と継続的な事業実態が必要です。
還付を受けるための3つの条件
副業の赤字で還付を受けるには、以下の3つの条件をすべて満たす必要があります。1つでも欠けると還付は受けられません。
条件1: 副業が「事業所得」であること
損益通算は事業所得でなければ使えません。2022年10月の<a href="https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/kaisei/221007/index.htm">国税庁通達改正</a>により、事業所得か雑所得かの判断基準が明確化されました。
原則として、副業収入が300万円以下で、かつ本業の収入が主な所得源である場合は雑所得になります。ただし帳簿・書類を保存していれば、300万円以下でも事業所得と認められる余地があります。
帳簿のつけ方については<a href="/column/fukugyou-chobo-tsukekata">副業の帳簿のつけ方ガイド</a>を参照してください。
- 継続的・反復的に事業活動を行っている
- 収支帳簿を作成・保存している(2022年通達改正で重要度が上昇)
- 社会通念上「事業」と認められる規模である
- 開業届を税務署に提出している
条件2: 本業で源泉徴収された所得税がある
還付とは「払いすぎた税金を返してもらう」制度です。そのため、本業の給与から所得税が源泉徴収されていることが前提になります。源泉徴収されていなければ返す税金がないため、還付は発生しません。
会社員であれば通常は毎月の給与から所得税が天引きされているため、この条件は問題なく満たせます。
条件3: 確定申告を行う
副業が赤字で所得20万円以下の場合、確定申告の「義務」はありません。しかし還付を受けるには確定申告が「必要」です。申告しなければ還付金は受け取れません。
還付申告は確定申告期間(翌年2月16日〜3月15日)に限らず、翌年1月1日から5年間いつでも提出できます。
【年収別】副業赤字の還付金シミュレーション
本業の年収と副業の赤字額によって、還付される金額は異なります。以下の早見表は、副業が事業所得で損益通算を行った場合の還付金額の目安です。
還付額は「赤字額 × 所得税の限界税率」で概算できます。年収が高いほど限界税率が上がるため、同じ赤字額でも還付金額は大きくなります。
年収別の税負担の詳細は<a href="/column/fukugyou-zeikin-nenshu-betsu">副業の税金 年収別早見表</a>も参考にしてください。
| 本業年収 | 適用税率(所得税+住民税) | 赤字30万円の還付目安 | 赤字50万円の還付目安 | 赤字100万円の還付目安 |
|---|---|---|---|---|
| 300万円 | 約15%(所得税5%+住民税10%) | 約4.5万円 | 約7.5万円 | 約15万円 |
| 500万円 | 約30%(所得税20%+住民税10%) | 約9万円 | 約15万円 | 約30万円 |
| 700万円 | 約33%(所得税23%+住民税10%) | 約9.9万円 | 約16.5万円 | 約33万円 |
| 1,000万円 | 約43%(所得税33%+住民税10%) | 約12.9万円 | 約21.5万円 | 約43万円 |
年収500万円の会社員が副業で50万円の赤字を出した場合、約15万円の還付が見込めます。赤字の確定申告をしなければ、この15万円は戻ってきません。
赤字の確定申告の具体的な手順
赤字の確定申告は、通常の確定申告と基本的な流れは同じです。e-Taxを使えばスマホからでも手続きが完了します。
- 確定申告書Bを用意する(事業所得がある場合はB様式を使用)
- 収支内訳書(白色申告)または青色申告決算書を作成し、副業の収入と経費を記入する
- 確定申告書の「事業所得」欄に赤字額をマイナスで記入する
- 「損益通算」の計算を行い、給与所得から赤字額を差し引く
- 還付される税額が自動計算される
- 還付金の振込先口座を記入して提出する
e-Taxの確定申告書等作成コーナーを使えば、損益通算の計算は自動で行われます。数字を入力するだけで還付額が表示されます。スマホでのe-Tax手順は「副業の確定申告をスマホで完結する方法」も参照してください。
会計ソフトで収支内訳書を自動作成する
副業の収入と経費を正確に記録するには会計ソフトが不可欠です。手書きやエクセルでは転記ミスが起きやすく、税務署から指摘されるリスクが高まります。
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税務署に否認される赤字申告のNGパターン
赤字の損益通算は合法的な制度ですが、悪用すると税務署から否認されます。否認されると追徴課税や延滞税が発生するため、以下のパターンには注意してください。
| NGパターン | 否認される理由 | ペナルティ |
|---|---|---|
| 売上ほぼゼロで経費だけ計上 | 事業実態がないと判断される | 雑所得への区分変更+過少申告加算税(10〜15%) |
| 3年以上連続で赤字 | 「事業」ではなく「趣味」とみなされる | 事業所得から雑所得へ否認+還付金の返還 |
| 私的支出を経費に算入 | 家事関連費の按分が不適切 | 過少申告加算税(10〜15%)+延滞税 |
| 架空経費の計上 | 脱税行為として告発される可能性 | 重加算税(35〜40%)+刑事罰の可能性 |
副業の赤字で節税するために「わざと赤字を作る」のは絶対に避けてください。税務署は赤字の事業所得を重点的にチェックしています。正当な事業活動の結果として赤字が出た場合のみ損益通算を活用しましょう。
赤字を翌年以降に繰り越す「純損失の繰越控除」
青色申告をしている場合、赤字を翌年以降3年間にわたって繰り越せます。これが「純損失の繰越控除」です(所得税法第70条)。
たとえば副業1年目に100万円の赤字が出た場合、2年目に80万円の黒字が出ても、前年の赤字と相殺して課税所得をゼロにできます。残りの20万円は3年目以降に繰り越せます。
この制度を利用するには、赤字の年も含めて毎年確定申告を行う必要があります。1年でも申告を忘れると繰越控除は使えなくなります。
青色申告の始め方については<a href="/column/aoiro-shiroiro-chigai">青色申告と白色申告の違い</a>をご覧ください。開業届の提出方法は<a href="/column/fukugyou-kaigyodoke-dasuka">副業の開業届を出すべきか</a>で詳しく解説しています。
- 青色申告者のみ利用可能(白色申告では繰越控除は使えない)
- 赤字を翌年以降3年間繰り越して黒字と相殺できる
- 赤字の年も含めて毎年の確定申告が必須
- 繰越控除を使う年は確定申告書に「損失申告用」の付表を添付する
副業を始めたばかりの年は初期投資で赤字になりやすいです。1年目の赤字を繰越控除で翌年以降に活用するためにも、最初から青色申告で始めることをおすすめします。
赤字申告の適正チェックリスト
確定申告の前に、自分の赤字申告が適正かどうかを確認しましょう。以下のチェックリストで1つでも「いいえ」がある場合は、税務署から指摘されるリスクがあります。
経費の計上ルールについては<a href="/column/fukugyou-keihi-ichiran">副業の経費一覧</a>も参考にしてください。
- 開業届を税務署に提出している
- 収支帳簿を作成・保存している(白色なら法定帳簿、青色なら複式簿記)
- 売上が実際にある(ゼロまたはほぼゼロではない)
- 経費はすべて事業に関連する支出である(私的支出を含んでいない)
- 家事関連費(家賃・光熱費など)は合理的な基準で按分している
- 領収書・請求書を保存している(7年間)
- 赤字の原因を説明できる(初期投資・季節変動・市場環境の変化など)
赤字申告で還付を受けるために今すぐやるべきこと
副業が赤字でも、正しく確定申告すれば所得税の還付を受けられます。ポイントは3つです。
1つ目は、副業を「事業所得」にすること。帳簿を保存し、継続的な事業実態を維持しましょう。2つ目は、損益通算で本業の給与所得から赤字を差し引くこと。3つ目は、青色申告で「純損失の繰越控除」を活用すること。赤字を翌年以降の黒字と相殺できます。
ただし節税目的の形式的な赤字は税務署に否認されます。正当な事業活動の結果として赤字が出た場合にのみ活用してください。
副業の節税方法については<a href="/column/fukugyou-setsuzei-gohoriteki">副業サラリーマンの合法節税5つの方法</a>もあわせてご覧ください。
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よくある質問
Q. 副業の赤字はすべて損益通算できますか?
すべてではありません。損益通算できるのは事業所得・不動産所得・譲渡所得・山林所得の赤字のみです(所得税法第69条)。副業が雑所得に分類される場合、赤字を他の所得と通算することはできません。事業所得として認められるには帳簿の保存と継続的な事業実態が必要です。
Q. 副業の赤字を確定申告しないとどうなりますか?
確定申告しなければ還付は受けられません。副業が赤字で所得が20万円以下であれば確定申告の義務はありませんが、還付を受けるには申告が必要です。申告は義務ではなく権利として行う形になります。なお住民税の申告は別途必要になる場合があります。
Q. 赤字の確定申告をすると会社にバレますか?
損益通算で所得が減ると、住民税額が本業の給与だけの場合より低くなります。これにより会社の経理担当者が気づく可能性はあります。対策として確定申告書の「住民税の徴収方法」欄で「自分で納付(普通徴収)」を選択する方法がありますが、自治体によっては特別徴収に統一される場合もあります。
Q. 副業が赤字でも青色申告はできますか?
できます。青色申告は所得の黒字・赤字に関係なく、開業届と青色申告承認申請書を提出していれば利用可能です。赤字の場合は青色申告特別控除は適用されませんが、赤字を翌年以降3年間繰り越せる「純損失の繰越控除」が使えるため、青色申告のメリットは大きいです。
Q. 何年も赤字が続いても問題ありませんか?
税務署に問題視される可能性が高いです。3年以上連続で赤字を計上していると、「事業実態がない」「節税目的の形式的な開業」とみなされ、事業所得から雑所得へ否認されるリスクがあります。実際に事業として継続的に営んでいる場合は別ですが、売上がほぼゼロで経費だけ計上している状態は危険です。