フクゼイ

青色申告75万円控除の変更点|2027年条件と副業への影響

青色申告75万円控除の変更点|2027年条件と副業への影響

※本ページにはプロモーションが含まれています

✍️

フクゼイ編集部

監修副業税金ナビゲーター

副業の税金・確定申告・会計ソフト選びを専門に扱うメディア。国税庁の公式情報をもとに、副業ワーカーが税務で困らないよう正確な情報を発信しています。

令和8年度税制改正(2026年)により、2027年(令和9年)分から青色申告特別控除の仕組みが22年ぶりに大きく変わります。最大控除額が65万円から75万円に引き上げられる半面、紙で申告している方の控除額は55万円から10万円に急減します。副業で青色申告を利用している方・これから始める方に向けて、変更の全貌と今から動くべき準備を解説します。

青色申告特別控除の変更点—現行と2027年以後の比較

令和9年(2027年)分の確定申告から、青色申告特別控除の仕組みが変わります。最大控除額が65万円から75万円に引き上げられる一方、紙申告のままでいると55万円控除が廃止されて10万円まで激減します。この改正は令和8年度税制改正として成立し、国税庁(No.2072 青色申告特別控除)でも案内されています。副業で青色申告を活用している方は、今のうちに変更内容を把握しておく必要があります。

青色申告特別控除の変更前後の比較と3段階の控除額
青色申告特別控除の変更前後の比較と3段階の控除額
青色申告特別控除の変更一覧(令和9年/2027年分の所得税から適用。令和10年/2028年分から住民税にも適用)
記帳・申告方法現行(〜令和8年分)改正後(令和9年分〜)変化
複式簿記 + e-Tax + 優良電子帳簿65万円75万円+10万円
複式簿記 + e-Tax(電子帳簿なし)65万円65万円変化なし
複式簿記 + 紙申告55万円10万円▲45万円
簡易簿記(単式簿記)10万円10万円変化なし
注意

最も影響を受けるのは「現在、紙で確定申告している青色申告者」です。令和9年(2027年)分から控除額が55万円から10万円に急減します。所得税率20%の方なら年間9万円、30%なら13.5万円の税負担増になります。

75万円控除の3つの要件—すべてを満たす必要があります

75万円控除を受けるには、以下の3つの要件をすべて同時に満たす必要があります。①と②だけでは65万円控除にとどまるため、③への対応が75万円控除のポイントです。

  1. 複式簿記(正規の簿記)で仕訳帳・総勘定元帳などを記帳している
  2. e-Taxを使って確定申告書を電子送信している(紙提出は65万円以上の控除対象外)
  3. 優良な電子帳簿の要件を満たすソフトで帳簿を保存している、または電子取引データ(電子請求書・電子領収書)を適切に保存している
情報

③の「電子取引データの保存」は、2024年1月から義務化されたルールです。インターネット通販・クラウドサービスで受け取ったPDFや電子メールの請求書を、所定の方法でデータのまま保存することです。すでに実践している方は、この要件を自然と満たしています。

優良な電子帳簿とは?—6つの要件と会計ソフトで自動対応できる理由

「優良な電子帳簿」とは、電子帳簿保存法が定める6つの要件をすべて満たすデジタル形式の帳簿です。ExcelやGoogleスプレッドシートで自作している帳簿は、通常これらの要件を満たしません。<br><br>やよいの青色申告オンライン・マネーフォワード クラウド確定申告など主要会計ソフトは、これらの要件に対応した設計になっています。ソフトを使って帳簿を入力するだけで、ユーザー側で特別な設定をしなくても優良電子帳簿の要件を満たせます。<br><br>副業の帳簿管理をどのように始めるかは副業の帳簿のつけ方と会計ソフトの選び方で解説しています。電子帳簿保存法の詳細は国税庁(No.2070 青色申告制度)もご参照ください。

  • 仕訳帳・総勘定元帳などを電子データで作成・保存している
  • 取引を業務処理と並行して(適時に)記録している
  • 取引年月日・金額・取引先名で検索できる機能がある
  • 訂正・削除した事実と内容が確認できる履歴機能がある
  • 仕訳帳と総勘定元帳など、帳簿間の相互関連性が確保されている
  • 使用システムの仕様書・操作説明書などが整備・保存されている

紙申告者への影響—55万円控除廃止で税負担はいくら増える?

現在、複式簿記で帳簿をつけながら紙(書面)で確定申告している方は、令和9年(2027年)分から控除額が55万円から10万円に下がります。課税所得が45万円分増えることになるため、税率に応じた税負担増が生じます。

紙申告で10万円控除になった場合の税負担増の目安(復興特別所得税・各種控除は省略。税率は課税所得に対する速算表を簡略化)
所得税率の目安課税所得の増加所得税の増加住民税の増加(一律10%)合計負担増の目安
10%(本業年収〜295万円程度)+45万円約4.5万円約4.5万円約9万円
20%(本業年収295〜500万円程度)+45万円約9万円約4.5万円約13.5万円
30%(本業年収500〜900万円程度)+45万円約13.5万円約4.5万円約18万円
ポイント

e-Taxに切り替えるだけで65万円控除を維持できます。マイナンバーカード+スマホがあれば自宅で完結します。さらに会計ソフトを使えば75万円控除も目指せます。対策は早いほど有効です。

副業で青色申告75万円控除を受けるための前提条件

副業収入に青色申告特別控除を適用するには、副業の所得が「事業所得」と認定される必要があります。雑所得は青色申告の対象外です。<br><br>2022年10月の国税庁通達により、副業収入が年間300万円以下の場合は帳簿書類の保存がなければ原則として雑所得に区分されます。ただし、帳簿書類を保存し、継続的・反復的に活動している実態があれば事業所得として認められる可能性があります。<br><br>雑所得と事業所得の判断基準の詳細は副業の雑所得と事業所得の違いと判断基準で解説しています。事業所得と認定されたら、次の手続きを済ませて青色申告を開始します。

  • 開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)を税務署に提出する
  • 青色申告承認申請書をその年の3月15日まで(新規開業なら開業から2ヶ月以内)に提出する
  • 複式簿記で仕訳帳・総勘定元帳を作成する
  • 確定申告書に貸借対照表・損益計算書を添付して提出する

2027年施行までに今から準備すること—4ステップ

令和9年(2027年)分の申告(2028年2〜3月)まで、まだ1年半以上あります。今から順番に準備すれば、75万円控除の要件を無理なく整えられます。副業の開業届を出すべきかの判断から始めると、スムーズに進められます。

2027年の青色申告75万円控除に向けた副業者の準備ステップ
2027年の青色申告75万円控除に向けた副業者の準備ステップ
  1. 今すぐ

    e-Tax環境を整える

    マイナンバーカードを取得し(未取得の場合)、マイナポータルアプリをスマホにインストールします。e-Taxの利用者識別番号も取得しておきます。

  2. 3ヶ月以内

    会計ソフトを導入して帳簿を開始する

    優良電子帳簿の要件を満たす会計ソフトを選択し、副業の収支入力を開始します。手書き帳簿やExcelからの移行も早めに行うと、2027年申告分の実績が蓄積されます。

  3. 翌年3月15日まで

    まだ白色申告の方は青色申告承認申請書を提出する

    翌年分から青色申告にする場合は、その年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を税務署に提出します。e-Taxやダウンロード書式で提出できます。

  4. 2027年(令和9年)分から

    75万円控除で申告する

    会計ソフトで複式簿記記帳 + e-Tax申告 + 優良電子帳簿保存の3要件を満たした状態で、2028年2〜3月に確定申告を行います。

会計ソフトで今すぐ75万円控除の準備を始める

75万円控除の要件をもっとも簡単に整えられるのが会計ソフトです。副業の帳簿を会計ソフトに入力するだけで、複式簿記・優良電子帳簿の6要件を自動でクリアできます。e-Taxとの連携機能も内蔵されているため、申告まで一括管理できます。<br><br>副業向けの会計ソフト比較は副業向け会計ソフト比較とおすすめで詳しく解説しています。青色申告の節税効果を最大化する方法は副業サラリーマンの合法節税5つの方法もあわせてご覧ください。<br><br>やよいの青色申告オンライン — 初年度無料で試す(優良電子帳簿に対応)<img src="https://www10.a8.net/0.gif?a8mat=4AZGC4+2XDT62+35XE+609HU" width="1" height="1" style="display:none" alt="" loading="lazy" /><br><br>マネーフォワード クラウド確定申告 — 無料で始める(e-Tax対応)

よくある質問

Q. 青色申告75万円控除はいつから適用されますか?

令和9年(2027年)分の確定申告(2028年2〜3月提出分)から適用されます。住民税は令和10年(2028年)分以後の適用です。2026年中に行う令和6年・令和7年分の申告は従来どおりの65万円・55万円・10万円控除が適用されます。

Q. 75万円控除を受けるために必要な会計ソフトの条件は?

優良な電子帳簿の要件(訂正・削除履歴の保存、日付・金額・取引先での検索機能、帳簿間の相互関連性など6項目)を満たす必要があります。やよいの青色申告オンライン・マネーフォワード クラウド確定申告など主要会計ソフトはこれらの要件に対応しています。ソフトを導入してe-Tax申告すれば、追加の設定なしに75万円控除の要件を満たせます。

Q. 今まで紙で申告していましたが、55万円控除はなくなりますか?

はい、令和9年(2027年)分から55万円控除は廃止されます。紙申告のままでは控除額が10万円まで下がります。e-Taxに移行するだけで65万円控除を維持でき、さらに優良電子帳簿の設定をすれば75万円控除を得られます。マイナンバーカードがあれば、スマホからe-Tax申告が可能です。

Q. 副業で青色申告75万円控除を使うには何から始めればいいですか?

まず副業収入が事業所得と認定されるかを確認します。次に開業届と青色申告承認申請書を税務署に提出します(その年の3月15日まで、または開業から2ヶ月以内)。その後、会計ソフトで複式簿記の帳簿をつけ、e-Taxで申告すれば65万円控除を受けられます。75万円控除を目指すなら、会計ソフトが優良電子帳簿の要件を満たしているかを確認してください。

Q. 副業収入が少ない場合でも青色申告75万円控除は意味がありますか?

副業所得が控除額を下回る場合、控除を上限まで使えないこともあります。ただし、青色申告の赤字3年繰越や少額減価償却特例(30万円未満を一括経費計上)などのメリットは控除額に関係なく受けられます。将来的に収入が増えた際に即座に控除を活用できる体制を今から整えておく価値があります。