【2026年最新】不動産投資の副業確定申告|サラリーマン版
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不動産投資は、副業禁止の会社員でもほとんどの場合に行えます。就業規則の「副業禁止」は他社への雇用関係を禁じるものであり、不動産投資は「資産管理」として対象外になることがほとんどです。本記事では確定申告が必要な条件・不動産所得の計算方法・計上できる経費の種類・損益通算による節税効果・青色申告と白色申告の選び方まで、サラリーマンが押さえておくべきポイントをすべて解説します。
副業禁止の会社でも不動産投資は原則OKな法的根拠
不動産投資は、副業禁止の就業規則があっても原則として行えます。就業規則の「副業禁止」は主に「他の企業・個人に雇用されること」を禁じるものです。不動産投資は賃貸物件を保有して家賃収入を得る「資産管理」であり、雇用関係に基づく労働の提供ではありません。そのため、就業規則の副業禁止条項が「他社への雇用」を対象とする限り、不動産投資は対象外になります。
厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(2018年策定、2022年改定)でも副業・兼業の促進を原則として掲げており、不動産投資のような資産運用は特に制限されていません。
<strong>ただし注意が必要なケースが2つあります。</strong>
1つ目は、就業規則に「不動産賃貸業を含む一切の副業を禁止する」と明記されている場合です。事前に就業規則を確認し、必要に応じて人事部門に問い合わせてください。
2つ目は、投資規模が5棟10室以上の「事業的規模」に達した場合です。この規模になると、副業禁止規定に抵触すると判断されやすくなる可能性があります。不動産投資を始めるにあたって就業規則と副業の関係を整理したい方は、副業が禁止される理由と法的根拠も参考にしてください。
公務員の場合は国家公務員法第103条・地方公務員法第38条により副業が原則禁止ですが、不動産賃貸業は自己所有の不動産で5棟10室未満などの条件を満たせば許可されるケースが多いです。所属機関の人事担当に事前確認をしてください。
確定申告が必要になる条件と住民税の注意点
不動産所得が年間20万円を超えると、所得税の確定申告が必要です。給与所得者であっても例外はありません(所得税法第121条)。
不動産所得の計算式は次のとおりです。
不動産所得 = 総収入金額(家賃・礼金など) ー 必要経費
この不動産所得が20万円を超えると、翌年2月16日〜3月15日に確定申告が必要になります。
<strong>20万円以下でも住民税の申告が必要な点に注意してください</strong>
所得税の確定申告は「不動産所得20万円超」が義務の起点ですが、住民税は別の話です。住民税には同じ申告免除規定がないため、不動産所得が1円でも発生した場合は市区町村への住民税申告が必要です。詳しくは副業の住民税申告方法と手続きを参照してください。
不動産所得が赤字になった場合は損益通算で給与所得を減らせます。払いすぎた所得税が還付される可能性があるため、赤字でも確定申告を行うことが節税の鍵です。
不動産所得の計算方法と総収入金額に含まれる項目
不動産所得の計算は「総収入金額 ー 必要経費」です。シンプルに見えますが、総収入金額に含まれる項目が思ったより広い点に注意が必要です(国税庁 No.1370)。
<strong>総収入金額に含まれるもの</strong>
・家賃・賃料収入
・共益費・管理費(収入として受け取る部分)
・礼金・更新料(返還を要しない部分)
・敷金・保証金のうち返還不要な部分
・名義書換料・承諾料
<strong>具体的な計算例</strong>
年間の家賃収入:120万円
共益費(収入分):12万円
礼金(返還不要分):6万円
合計総収入金額:138万円
必要経費(ローン利息・管理委託料・固定資産税等):90万円
不動産所得:138万円 ー 90万円 = 48万円
この48万円が課税対象となる不動産所得です。所得区分の判断に迷う場合は副業の雑所得と事業所得の違いも参考にしてください。
経費として計上できる費用と認められない費用の一覧
不動産投資では多くの費用を経費として計上できます。経費を正しく把握することが、税負担を抑える第一歩です。
| 経費の種類 | 具体的な内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| ローン利息 | 借入金の利子部分のみ | 元本返済分は経費にならない |
| 減価償却費 | 建物の購入代金を耐用年数で按分 | 土地は減価償却の対象外 |
| 固定資産税・都市計画税 | 毎年の不動産税 | 当年に支払った分のみ計上 |
| 管理委託料 | 管理会社への手数料 | 全額経費 |
| 火災・地震保険料 | 貸付物件の保険料 | 長期一括払いは支払年按分 |
| 修繕費 | 原状回復・維持のための修繕 | 資本的支出(価値向上)は別扱い |
| 仲介手数料 | 入居者募集費用 | 全額経費 |
| 税理士・司法書士報酬 | 申告代行・登記費用 | 全額経費 |
| 交通費・通信費 | 物件管理のための移動・連絡費 | 私用との按分が必要 |
修繕費と資本的支出の区分に注意してください。1件の修繕が20万円未満なら修繕費として一括経費計上できます(所得税法施行令第181条)。20万円以上の場合、原状回復目的なら修繕費、資産価値向上目的(間取り変更・設備グレードアップ等)なら資本的支出として減価償却が必要です。
損益通算で給与所得の税金を減らす仕組みとシミュレーション
不動産所得が赤字になった場合、給与所得と損益通算できます。これが不動産投資における最大の税務メリットのひとつです(所得税法第69条)。
特に投資初年度はローン利息や諸経費が多く発生して赤字になりやすく、損益通算による所得税の還付が大きくなるケースがあります。損益通算の詳細な仕組みと具体的な申告手順は副業の赤字で確定申告|還付の条件と手順で解説しています。
| 項目 | 損益通算なし | 損益通算あり |
|---|---|---|
| 給与所得(概算) | 430万円 | 430万円 |
| 不動産所得 | ー | ▲100万円(赤字) |
| 課税所得(概算) | 430万円 | 330万円 |
| 適用税率 | 20% | 20% |
| 所得税額(概算) | 約57.5万円 | 約37.5万円 |
| 差額(還付相当) | ー | 約20万円 |
土地取得のための借入金利子は損益通算の対象外です。不動産購入ローンのうち土地部分に充てた利子相当額については損益通算から除外されます(租税特別措置法第41条の4)。実務でよく見落とされるポイントのため、金融機関の残高証明書で土地・建物の按分を確認してください。
青色申告と白色申告の比較と事業的規模の判断基準
不動産投資の確定申告では青色申告と白色申告のどちらかを選べます。多くのケースで青色申告が有利ですが、事前手続きが必要です。開業届と「青色申告承認申請書」を税務署に提出することで青色申告者になれます。2027年(令和9年)分からは青色申告特別控除が最大75万円に引き上げされる予定のため、今から青色申告の体制を整えることをおすすめします。
| 比較項目 | 青色申告 | 白色申告 |
|---|---|---|
| 特別控除(事業的規模あり・e-Tax) | 65万円 | なし |
| 特別控除(事業的規模なし) | 10万円 | なし |
| 帳簿 | 複式簿記(65万円控除) or 簡易帳簿(10万円控除) | 簡易帳簿のみ |
| 赤字の繰越控除 | 翌年以降3年間繰越可 | 繰越不可 |
| 家族への給与 | 専従者給与として全額控除可 | 最大86万円(配偶者)の定額控除のみ |
| 事前手続き | 青色申告承認申請書の提出が必要 | 不要 |
事業的規模(5棟10室)の判断基準
国税庁 No.1373によると、不動産貸付業の「事業的規模」の目安は次のとおりです。
・アパート・マンション:独立した貸室が10室以上
・戸建て物件:5棟以上
この基準を満たす場合、青色申告特別控除が最大65万円(e-Tax申告時)になるほか、回収不能な家賃(貸倒損失)の全額経費化や家族への専従者給与の計上も可能になります。
事業的規模に達する予定がある場合は、早めに開業届を提出して青色申告の体制を整えることをおすすめします。なお、5棟10室に満たない場合でも、青色申告の10万円控除と赤字の3年間繰越控除は利用できます。
事業的規模に達していなくても、青色申告のメリット(10万円控除・赤字繰越3年)は十分大きいです。白色申告を選ぶ理由はほとんどありません。
不動産投資の確定申告の手順と必要書類
確定申告は毎年2月16日〜3月15日に行います。書類の準備は前年12月から始めるとスムーズです。
- 前年12月
書類の収集開始
賃貸借契約書・家賃収入明細(通帳コピー可)・修繕費の領収書・管理委託料の明細書・ローン残高証明書(金融機関から郵送)・固定資産税納税通知書・火災保険料証明書を収集します。
- 1月〜2月中旬
帳簿の整理・申告書の作成
会計ソフトに収支を入力し、「青色申告決算書(不動産所得用)」または「収支内訳書(不動産所得用)」を作成します。減価償却費は建物の構造別耐用年数(木造22年・鉄骨34年・RC47年)で計算します。
- 2月16日〜3月15日
確定申告書の提出
税務署への持参・郵送、またはe-Taxでの電子申告で提出します。e-Tax申告であれば65万円控除の要件を満たせます。損益通算(赤字の場合)も申告書で反映させてください。
- 3月15日まで(または5月31日)
税金の納付・還付の受け取り
追加税額がある場合は3月15日までに納付します。損益通算で還付がある場合は申告後1〜2ヶ月で口座に振り込まれます。
会計ソフトで不動産申告の手間を大幅に削減するポイント
不動産投資の確定申告は帳簿の管理が最大の負担です。特に減価償却費の計算は複雑で、ミスが起きやすい箇所です。会計ソフトを使えば、収支の記帳・減価償却の自動計算・申告書の自動作成まで一気に完結します。
やよいの青色申告オンラインは不動産所得用の青色申告決算書・収支内訳書の作成に対応しており、e-Taxでの電子申告にも対応しています。初年度は無料で試せます。
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マネーフォワード クラウド確定申告も不動産所得の申告に対応しており、スマートフォンから操作できます。
不動産投資と副業全般の節税については副業サラリーマンの合法節税5つの方法もあわせて参考にしてください。
- 就業規則で不動産投資が制限されていないか確認した
- 不動産所得の計算方法(総収入金額 ー 必要経費)を把握した
- ローン利息(利子部分)と元本の区分を金融機関に確認した
- 建物の減価償却費(構造別耐用年数)の計算方法を理解した
- 青色申告承認申請書を税務署に提出した(または白色申告を選択した)
- 住民税は別途市区町村への申告が必要なことを把握した
- 確定申告に必要な書類(ローン残高証明書・固定資産税通知書等)を収集した
- 会計ソフトで帳簿管理を開始した
よくある質問
Q. 不動産投資は副業禁止の会社員でもできますか?
ほとんどの場合、できます。就業規則の「副業禁止」は主に「他社への雇用関係を持つこと」を禁じるものであり、不動産投資は資産管理のため対象外になることが多いです。ただし就業規則に「不動産賃貸業を含む一切の副業を禁止する」と明記されている場合は注意が必要です。事前に就業規則と人事部門で確認することをおすすめします。
Q. 不動産所得が20万円以下でも確定申告は必要ですか?
所得税の確定申告は不要ですが、住民税の申告は別途必要です。所得税は「給与以外の所得20万円超」が申告義務の起点ですが、住民税には同じ免除規定がないため、不動産所得が1円でも発生した場合は市区町村への住民税申告が必要です。「20万円以下なら何もしなくてよい」は誤りです。
Q. 不動産投資の確定申告で計上できる主な経費は何ですか?
ローン利息(元本除く)・減価償却費・固定資産税・管理委託料・火災保険料・修繕費・仲介手数料・税理士報酬などが計上できます。ローンの元本返済分と土地の購入代金は経費になりません。減価償却費は建物の構造ごとに耐用年数が異なり(木造22年・鉄骨34年・RC47年)、毎年の償却額を経費として計上します。
Q. 不動産所得が赤字の場合、給与所得と損益通算できますか?
できます。不動産所得の赤字は給与所得から差し引いて課税所得を減らせます(所得税法第69条)。ただし、土地取得のための借入金利子部分に相当する金額は損益通算の対象外となります(租税特別措置法第41条の4)。損益通算で税額が減ると住民税も下がるため、普通徴収を選んでいない場合は会社にバレる可能性がある点にも注意が必要です。
Q. 不動産投資の確定申告で青色申告を選ぶ条件は何ですか?
事前に税務署へ「青色申告承認申請書」を提出することが条件です。最大65万円の特別控除(e-Tax申告時)を受けるには複式簿記での帳簿管理も必要です。事業的規模(独立した貸室10室以上または戸建て5棟以上)に達していない場合、青色申告特別控除は最大10万円となります。会計ソフトを使えば複式簿記の帳簿が自動作成されます。